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「あれ?オバさん、透は?」
先ほどケーキをとりにいく。と言ったきり、全く透の姿を見かけないので、私は透のお母さんに聞いてみた。
「あら伊織ちゃん、透ならさっきお手洗いに行く。っていってたわよ?」
「・・・ええと、それって何分前くらい?」
「んー・・・そうねえ・・・20分前くらいかしら?お手洗い混んでるのかしらねえ・・・」
なんて、のほほんとした真弓さんの言葉に、そうですね。と返事をしたものの・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・なんか嫌な予感が・・・。
番外 アメリカでのクリスマス、3
「あっれー?ここも違う・・・・・・おっかしいなあ・・・」
私はシンと静まり返った廊下を一人で歩いていた。
お手洗いにいくためにパーティ会場を抜け出たのはいいものの・・・・・・
進めども進めども、聞こえるのは自分の足音だけ。
高い天井に反響した足音が、余計に自分一人だということを自覚させる。
完全なる迷子だ。
(ちくしょー!!どれだけデカい屋敷なんだよ!!!!ここがホテル!?嘘つけ!!誰もいないじゃん!!!っていうかここどこなんだよ!!!)
私は一人でブツブツ文句を言いながら、自分の軽率な行動に軽く後悔していた。
ああ・・・あの時あんなことをしなければ・・・・・・今頃伊織と一緒にケーキを食べてたはずなのに・・・
1時間程前。
お手洗いにて用を済ませた私は、そのまま真っ直ぐ会場に戻ってケーキを食べるはずだった。
何十種類もある色とりどりの美味しそうなスイーツ。あれが私を待ってるはずだった。
「・・・・・・あ。なんか綺麗なのがある」
会場の方向とは反対方向に綺麗な彫刻が見えたので、もっとよく見ようと近寄ってみた。
それがそもそもの間違いの始まりだった。
近づいてみれば、大理石の像。
水瓶を抱えた女神がかすかに微笑んでいる。
「おおお~綺麗・・・。さすが古い屋敷・・・年代モノって感じー。あ、あっちの方にも何か絵がある。行ってみよ!!」
「うわ~・・・これも綺麗!!構図がいい!!・・・・・・あ、あれも何だろ!!」
「うわ、高そうな壷・・・いくらくらいするんだろ・・・。こっちの道はどうかな?」
見るものすべてが物珍しかった。
さながら美術館のようなコレクションの数々。
私はもともと芸術が好きだったことも手伝って、だんだんとテンションもあがっていた。
「あ、階段がある」
私はここで、1回行くか行かないか考えた。2秒くらい。
もっとよく考えればよかった。
[ 選択肢 ]
A、『気になるけど・・・、そろそろ戻った方がいいよね・・・。みんな待ってるし』
B、『うわ!凄い気になる!!大丈夫だよね!いつでも戻れるよ!!』
⇒ 選択 : B
「・・・・・・行ってみよ!」
このときほど好奇心が憎かったことはない。私の安易な考えも。
(だって気になったら確認しないと気がすまないんだもん!!!!)
・・・・・・とまあこんな感じで、好奇心の赴くままどんどん進んでいったら・・・・・・
案の定、うん、まあ、迷子になってました。はい(チーン)
「うーん・・・こっちの道であってると思ったんだけどなー・・・見たことあるような・・・ないような・・・??」
どこまでも続く長い廊下。
そもそも、ここが何階なのかもよく分からない。
(っていうか・・・まず会場って何階だったっけ?2階だったっけ?3階?あれ?)
会場まではボーイが案内するままに進んでいたし、両親と話しながら歩いていたので会場が何階にあるのか、全く覚えていなかった。
(これでよく「いつでも戻れる」と思ったな・・・。私まだ体は若いはずなのに・・・。脳だけ老いてるんだろうか・・・)
見た目は子供、頭脳は大人。の某名探偵を頭に思い浮かべたが、
まるっきり脳みそがボケ老人だったら解決できるものも解決できない。
「・・・・・・・戻ろう。」
戻ろう。そうしよう。
闇雲に歩いてもしょうがないと思った私は、覚えている限り歩いて来た道を引き返し始めた。
今までこっちが近道なのだと、自分に言い聞かせて慣れない道を進んできたが、もうこれ以上は無理だと思った。
体力的には全く問題なかったが、如何せん廊下の脇にあるコレクションが美しい彫刻から、だんだん西洋の騎士の甲冑が目だってきているのが気になっていた。
今にも動き出しそうだ。手に持っている剣や槍がギラリと鈍く光っている。
(なんで私はこっちの道を選んだんだよ!!自分がわかんない!!!鎧は何だか動き出しそうだし!!)
正直、恐い。
明かりが乏しい廊下で、自分の影が揺らめくたびにドキドキする。
私は自分ではそう思ってないけど、伊織曰く帰省本能というものがないらしい。
そんな私が引き返したところで、現状がそう変わるわけではないけれど、鎧よりはましだ。
走り出したかったが、いかんせんヒールを履いているので走れない。
私はできる限りの早さで廊下を引き返し始めた。
【続】
まだまだ続くよ!!
まだ出てこない(笑)
先ほどケーキをとりにいく。と言ったきり、全く透の姿を見かけないので、私は透のお母さんに聞いてみた。
「あら伊織ちゃん、透ならさっきお手洗いに行く。っていってたわよ?」
「・・・ええと、それって何分前くらい?」
「んー・・・そうねえ・・・20分前くらいかしら?お手洗い混んでるのかしらねえ・・・」
なんて、のほほんとした真弓さんの言葉に、そうですね。と返事をしたものの・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・なんか嫌な予感が・・・。
番外 アメリカでのクリスマス、3
「あっれー?ここも違う・・・・・・おっかしいなあ・・・」
私はシンと静まり返った廊下を一人で歩いていた。
お手洗いにいくためにパーティ会場を抜け出たのはいいものの・・・・・・
進めども進めども、聞こえるのは自分の足音だけ。
高い天井に反響した足音が、余計に自分一人だということを自覚させる。
完全なる迷子だ。
(ちくしょー!!どれだけデカい屋敷なんだよ!!!!ここがホテル!?嘘つけ!!誰もいないじゃん!!!っていうかここどこなんだよ!!!)
私は一人でブツブツ文句を言いながら、自分の軽率な行動に軽く後悔していた。
ああ・・・あの時あんなことをしなければ・・・・・・今頃伊織と一緒にケーキを食べてたはずなのに・・・
1時間程前。
お手洗いにて用を済ませた私は、そのまま真っ直ぐ会場に戻ってケーキを食べるはずだった。
何十種類もある色とりどりの美味しそうなスイーツ。あれが私を待ってるはずだった。
「・・・・・・あ。なんか綺麗なのがある」
会場の方向とは反対方向に綺麗な彫刻が見えたので、もっとよく見ようと近寄ってみた。
それがそもそもの間違いの始まりだった。
近づいてみれば、大理石の像。
水瓶を抱えた女神がかすかに微笑んでいる。
「おおお~綺麗・・・。さすが古い屋敷・・・年代モノって感じー。あ、あっちの方にも何か絵がある。行ってみよ!!」
「うわ~・・・これも綺麗!!構図がいい!!・・・・・・あ、あれも何だろ!!」
「うわ、高そうな壷・・・いくらくらいするんだろ・・・。こっちの道はどうかな?」
見るものすべてが物珍しかった。
さながら美術館のようなコレクションの数々。
私はもともと芸術が好きだったことも手伝って、だんだんとテンションもあがっていた。
「あ、階段がある」
私はここで、1回行くか行かないか考えた。2秒くらい。
もっとよく考えればよかった。
[ 選択肢 ]
A、『気になるけど・・・、そろそろ戻った方がいいよね・・・。みんな待ってるし』
B、『うわ!凄い気になる!!大丈夫だよね!いつでも戻れるよ!!』
⇒ 選択 : B
「・・・・・・行ってみよ!」
このときほど好奇心が憎かったことはない。私の安易な考えも。
(だって気になったら確認しないと気がすまないんだもん!!!!)
・・・・・・とまあこんな感じで、好奇心の赴くままどんどん進んでいったら・・・・・・
案の定、うん、まあ、迷子になってました。はい(チーン)
「うーん・・・こっちの道であってると思ったんだけどなー・・・見たことあるような・・・ないような・・・??」
どこまでも続く長い廊下。
そもそも、ここが何階なのかもよく分からない。
(っていうか・・・まず会場って何階だったっけ?2階だったっけ?3階?あれ?)
会場まではボーイが案内するままに進んでいたし、両親と話しながら歩いていたので会場が何階にあるのか、全く覚えていなかった。
(これでよく「いつでも戻れる」と思ったな・・・。私まだ体は若いはずなのに・・・。脳だけ老いてるんだろうか・・・)
見た目は子供、頭脳は大人。の某名探偵を頭に思い浮かべたが、
まるっきり脳みそがボケ老人だったら解決できるものも解決できない。
「・・・・・・・戻ろう。」
戻ろう。そうしよう。
闇雲に歩いてもしょうがないと思った私は、覚えている限り歩いて来た道を引き返し始めた。
今までこっちが近道なのだと、自分に言い聞かせて慣れない道を進んできたが、もうこれ以上は無理だと思った。
体力的には全く問題なかったが、如何せん廊下の脇にあるコレクションが美しい彫刻から、だんだん西洋の騎士の甲冑が目だってきているのが気になっていた。
今にも動き出しそうだ。手に持っている剣や槍がギラリと鈍く光っている。
(なんで私はこっちの道を選んだんだよ!!自分がわかんない!!!鎧は何だか動き出しそうだし!!)
正直、恐い。
明かりが乏しい廊下で、自分の影が揺らめくたびにドキドキする。
私は自分ではそう思ってないけど、伊織曰く帰省本能というものがないらしい。
そんな私が引き返したところで、現状がそう変わるわけではないけれど、鎧よりはましだ。
走り出したかったが、いかんせんヒールを履いているので走れない。
私はできる限りの早さで廊下を引き返し始めた。
【続】
まだまだ続くよ!!
まだ出てこない(笑)
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