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20090124設置
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ガシャーンッ!!!!


「!!!」


20mほど引き返したところで、静寂を打ち破る、大きな音。
振り返ってみれば、無言で佇んでいたはずの鎧の首の1つが床に落ちていた。





番外 アメリカでのクリスマス4




(何!?なんでいきなり兜が落ちるわけ!?怖っ!!怪奇現象ですか!!??)


廊下の曲がり角付近にある鎧の首がカラカラと音をたてて転がっている。
私はホラーが大の苦手なので、軽くパニックになりそうだったが、すぐに正気を取り戻した。
何故ならその曲がり角から、人が現れたのが見えたからだ。



『やっちまったなーお前』
『あーらら』
『大丈夫だろ。壊れてもこれくらい金でどうとでもなる』



現れたのは3人の男の子。
3人ともフォーマルの衣装を着ている。きっとあのパーティに出席していた子達なんだろう。


(なんか、見るからに悪ガキっぽいけど・・・、やった!!人間だ!!助かった!!)


1時間ぶりの人間だ。悪ガキだろうが、何だろうが、背に腹はかえられない。


「すみませーん!!!」


半ば遭難者の気持ちで彼らに近づく。
声をかけた男の子達は、(今の)私より3つ、4つ年上。といったところか。
高級そうなスーツを3人とも身に付けている。見るからにどこかの財閥のお坊ちゃんだ。

私の存在に気づいた彼らが私を見る。
私が近づくにつれて、何故か男の子達の笑みが大きくなった。


(・・・・・・私何か喜ばせるようなことでもしたか・・・?)


私は別段警戒せずに彼らに近づいていった。





・・・・・・だって、こいつら子供じゃん?






でも、そのときは忘れていた。
テニプリの世界は、やたら早熟であることを。





(おい…この子…)
(ああ会場にいた子だな)
(だな。一緒にいた子も可愛かったが…)
(父親達がベッタリくっついてて、声かけられなかったんだよね)
(まさかこんなところで会えるとは…)
(ああ、抜け出してきて正解だったな)




小声で話しているからか、私には何を話してるのかまったく聞こえない。
上から下まで観察されているようで、なんだか感じが悪い。


(・・・・・・平民オーラ出ちゃってるのか・・・?馬子にも衣装だぜ!とか言われてるんだろうか・・・)


そんなことを考えているうちに、3人のうちのリーダー格であろう男の子と目が合う。
その子は不適に、にぃっと笑った。



「君、こんなところでどうしたの?迷子?」
「あ、はい。すっかり迷ってしまって・・・」
「このホテルも広いからね。・・・まあ、うちが経営してるホテルには及ばないけどね」
「・・・あー・・・。そ、そうなんですかー・・・」



(・・・き、嫌いな金持ちのタイプだー!!!!!)




声をかけたことに後悔の念を覚えたが、頼りになる人間はこいつらしかいない。
こういう、感じの悪い奴に頭をさげるのは気に食わないが、私も年を考えればいい大人。


ふっ・・・大人な対応で、切り抜けてやるぜ・・・!!




「と、ところで。あなた方は今日のパーティに招待された方々・・・ですよね?」
「そうだよ。見てわかるだろ?」
「で、ですよね・・・。あはは・・・。(くっ・・・何かいちいちイラッとする!!)あの、もしよかったら会場まで案内して欲しいんですけど・・・。私、会場に戻りたくて・・・」


そう言った途端、3人は顔を見合わせて一層、笑みを大きくした。


「それよりさ、ちょっと俺達と遊ばない?」

「は?」






【続】
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