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うへー・・・2人でお掃除かー・・・
あれ何時間かければ綺麗になるかな・・・





31,5話





・・・・・・さっき見た感じ、掃除用具とかなかったよね・・・探すのも面倒だし。
先輩に聞くしかないか。

武器(掃除用具)を手にするべく、手近にいた男子生徒に声をかける。

「あの、先輩!」
「ん?何?笹本サン」


おお。名前覚えててくれてるよ。
あ、この人さっきいたレギュラーの人だ。
ええと・・・えっと・・・名前は、「小村」先輩か!

何?用事があるなら早く言ってくれない?とでもいうような目で見られる。
す、すいません!好奇心で声かけたわけじゃないんです!!


「すいません。ええと、ホウキと塵取りってあります?」
「あるけど。・・・・・・ああ、あの汚い倉庫を掃除するのか」
「はい。それで掃除用具を借りたいんです」
「・・・ちょっと待ってて」

そう言って、小村先輩(だと思うんだけど)は選手の部室の中から掃除用具をいくつか取り出してくれた。


・・・汚いって認識があるなら掃除しろよ!!!
っていうか、今「倉庫」って言ったよなこの人。言ったよな!


やっぱりあの部室、倉庫なんだ・・・。と再認識しつつ掃除用具を受け取る。
あれですか、やっぱり通過儀礼とかいうヤツですか!!
お前らには汚い倉庫がお似合いだぜ!みたいな?(あんまり考えたくない)


「これ・・・二組しかないけど、いい?」
「ありがとうございます小村先輩。貸して貰えるだけで十分です」


そうお礼を言うと、少しだけ目を見開いた。
・・・何か変なこと言ったかな。あ!この人、小村じゃないとか言いますか!?


「・・・もう名前覚えたの?」
「え、はい。レギュラーだけですけど・・・。あの、小村先輩で合ってますよね?」
「合ってる」
「あ、そうですか。よかった!」
「・・・・・・・・・・・・」
「えーと・・・その・・・・・・・っ(めっちゃ見てるー!!)」
「・・・・・・・・・・・・」


こ、この人、優しいけど目付きとか態度がちょっと・・・恐いっていうか・・・特殊!!
そして沈黙が痛い!!

ジーッと睨まれてるような、観察するような瞳で見られる。
目と目が合ったままだが、視線を外すタイミングを見失ってしまった。
空気が妙に重く感じる。

先輩の、ちょっとねこっ毛混じりの髪が風にのってサラサラと揺れる。
・・・色素薄いなあ・・・。
金髪のような、茶色のような・・・。麦の色っていうのか。
日の光でキラキラと輝いている。

(毎日お手入れしてるのかなー・・・)

なんてどうでもいい現実逃避が始まりそうになったとき、



「よっ!何楽しそうに話してんの?」



楽しそう!?これが楽しそうに見えるのか!?
気のよさそうな人がどーんと小村先輩に圧し掛かってきた。確かこの人もレギュラーだ。
ええと・・・


「なんスか北岡センパイ。重いッス・・・」
「いやぁ、お前が何か楽しそうなことしてるから邪魔しに来た」


私が思い出す前に小村先輩が名前を言ってくれた。
そうだ、北岡先輩だ。3年の。


「掃除用具握り締めちゃって。掃除でもすんの?」
「・・・掃除用具は掃除するためにあるんスよ先輩」
「俺は笹本に聞いてんだっつの!・・・ごめんな。こいつ無愛想で無口で目付き悪いけど、いい奴だから恐がらないでやって!」
「・・・失礼な」
「え?あ、はい・・・。大丈夫です・・・(酷い言われようだなおい)」

そう言うと、ニッコニッコと笑いかけてくる北岡先輩に対し、相変わらず無表情でジッと見つめてくる小村先輩。


・・・ごめん。はっきり言っていい?
こいつらも、顔が整いすぎてて目のやり場に困る!!!


小村先輩は、色素の薄いクールビューティー。
対する北岡先輩は、短い黒髪とメガネが印象的な爽やかお兄さん。って感じだ。
身長は多分どちらも180近くありそう。


顔が赤くなるのを感じて、慌てて話題を変える。

「えっと・・・先輩達は・・・その、仲いいんですね」
「あ?そう見える?俺こいつとはダブルスやってんのね。だからじゃない?」
「仲・・・いいんスかね?」
「おい!!!」


逆に北岡先輩に聞く小村先輩。なんだこいつら、漫才コンビか。
小村先輩は・・・無愛想で無口で目付き悪い。・・・らしいけど、これだけはわかる。


(・・・この人、天然だ!!)


妙な確信を得た私だった。
とにかく見かけに反して、恐い先輩ではないようだ。
いや、むしろフレンドリー?


・・・チラと時計を見ると、結構話し込んでいる。



「あ、すいませんこんなに話し込んじゃって!貴重な先輩の練習時間を・・・」
「いいっていいって、こいつも俺も休憩時間だし」
「ッス」
「それなら、よかった・・・。では、この掃除用具借りますね」
「うん。・・・あ、そうだ。それ一組はゴルフ部のなんだよね。終わったらそのまま返してきてもらっていい?」
「あ、はい。いいですけど」
「ありがとう!じゃ、掃除頑張って!秋原にもよろしく!」
「・・・じゃあ」


そう言って、先輩2人は部室の中に消えていった。
ゴルフ部のって・・・・

(借りパクかい!!借りたらちゃんと返せよ!!!)


そうだ、こいつら中学生だったんだよ・・・。と思い出した。
ここに弦一郎がいたら、多分先輩と言えど説教始めたかもしれないな・・・。

伊織の私を呼ぶ声が聞こえた。

「透ー?」
「あ、うん!今行くー!!」


よし、掃除開始だ!!!











「・・・・・・あの子達さ。どうよ?」
「なにがッスか」

笹本と別れた後、部室で小村に思わず話しかける。

「何が。ってあの子達どう思うかってこと!」
「先輩はどうなんスか」
「・・・いいと思うね。・・・だって初日から掃除やろうとしたマネなんていなかったしさ」


ドリンクの好みとかさ。
だって、普通は適当な濃さで1種類作るくらいじゃん?
まあ、こっちも作って貰ってるわけだし文句言えないしさ。
でも、あの子達は俺達のことよく考えてくれてるし、何よりやる気が感じられる。

「それって凄いことじゃね?」
「まぁ・・・」
「しかも可愛いし!」
「・・・・・・・・・・・・彼女サンに言うッスよ」
「ああもう!やめろっつーの!可愛いもんは可愛いんだから!後輩っつーのは皆可愛いんだから!」
「そうッスか」

タオルで汗を拭きながら新しいマネージャーについて考える。
5人もいるんだよな。・・・そういや、後の3人はどうしたんだろうな。


「それにしてもお前さ、結構笹本のこと気に入った?」
「・・・・・・・・・」
「照れんな照れんな!お前が女子と話してるの、俺あんまり見たことねえし」

小村の背中をバシバシと叩くと、痛いッスよ。と返ってきた。
こいつ本当面白いよな。

「逃げなかったから、いいヤツだな・・・と思って」
「・・・ああ。お前本当、目付き悪いもんな。大抵の女子は一睨みで逃げる」
「別に睨んでるわけじゃないんスけど・・・。あれッスよね・・・」

そう言って小村が言いかけた。
今日は珍しく饒舌だ。そんなに笹本が気に入ったんだろうか。


「イチゴっぽいッスよね」
「・・・は?笹本が?」
「なんか、こう・・・それっぽくないッスか?それか和菓子系」

駄目だ。こいつの不思議発言には毎回のことだがついていけない。


「・・・じゃあ秋原は?」
「・・・ヒヨコっぽい」

・・・・・・ヒヨコ?

(いや、ヒヨコはお前だろ!!生まれたてのヒヨコみたいな色素しやがって!!)


「他の3人は?・・・えーと、なんだっけ」
「桃月、島崎、山川」
「おお、それだ。お前よく覚えてたな」
「俺、人の名前覚えるの得意なんス。・・・彼女らは、あれッスね。マーブルチョコみたいな・・・」
「・・・・・・その心は?」
「可愛いのは色だけで、表面割ると中身一緒」
「なるほど」


こいつはこいつで、いろいろ思うところがあるらしい。
何にせよ、笹本と秋原の2人は、俺もこいつも好印象って感じだ。
うちの部長なんて、必要以上にニッコニッコしてて気持ち悪い。


「・・・そろそろ練習するか。湯沢に怒られそうだ」


この一週間で、新入生の何人が脱落するだろう。
骨のある1年はいるだろうか。
とりあえず1週間、様子見てやろうじゃねえの!


「・・・楽しみだな小村」
「ッス」




【終】


なんか・・・自分でも何が書きたかったんだかwwwww
小村先輩、本当天然っていうか、不思議系になった!!
ゴメンこんなはずでは!!!おかしいな\(^q^)/
こんな勝手に先輩つくっていいのかな(笑)

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